DNAについて
DNA(ディー・エヌ・エー)ということばを近頃よく耳にすると思います。
新聞やテレビ、インターネットなどの様々なメディアで取り上げられることが多くなってきました。
皆さんはDNAという言葉から何を連想しますか?
DNA鑑定で本人確認ができたり、DNA検査により病気が判明したり、最近では、河川の生態系調査で、川の水に含まれる微量のDNAの検出によって「その生き物がその川に生息するかの判定が可能になった」とも言われております。
そんな目に見えない微量のDNAっていったいどのようなものかご紹介します。
DNAってなに?
DNAは全ての細胞の染色体の中に折りたたまれた状態で存在します。
DNAはデオキリボ核酸の略で、アデニン(A)・グアニン(G)・シトシン(C)・チミン(T)の4つの物質で構成され、これらが繋がりDNA配列になっています。
このDNA配列こそが、生物に共通して保存され、暗号化されたいのちの設計図となります。
またDNA 配列は身体の設計図のみならず、親から子へと受け継がれる遺伝子としても重要な役割をもちます。
親子の顔や体つきが似ているのはこのためです。
したがって、DNA配列を解読することで、生物種特有の情報、血縁関係、先天的な病気のリスクまで判明するといった、とても貴重ないのちの個人情報源なのです。
またDNA配列は時代と共に進化しており、環境や後天的要素により適応することも知れています。
古来日本人である縄文人と弥生人のルーツもDNA配列から判明されています。
また今後も進化していくものと考えられています。
DNAの主な機能は、DNA配列として機能的な部分と、様々なRNAおよびタンパク質を暗号化している部分があります。
したがって、DNA 配列に変異が入ると、RNAやタンパク質が全くできなくなったり、あるいは正常とは異なる構造のものを産生してしまうことで、正常な働きが失われてしまうことがあります。
先天的な病気である遺伝病の多くは、このような原因によって発症することが知られています。
つまり、DNA配列は個々の生命活動の根幹となるプログラム部分となるわけです。
DNAからわかること
近年、科学の発展はめざましく、将来的には、より高度な解析によって、DNAから新たな生命情報が判明するかもしれません。
現在、ヒトのDNA配列は全て明らかになっています。
もし家系図のように先祖代々DNAが残されていたら、先祖のルーツが判明したり?大名や公家の子孫であったり?あるいは先祖とは血縁関係に無かったり!!!と様々な繋がりが判明します。
そして将来は、DNAからその人の(動物の)食べ物の嗜好性がわかったり、声が再生できたりと色々な生命現象が写し出されるかも?と考えると思わずDNAからロマンを感じています。
映画の世界のジュラシックパークが現実になるかどうかは今の私たちにも分かりませんが、DNAにはまだまだ無限の可能性から、夢や期待が残されている貴重な財産となるかもしれません。